権利章典
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権利章典とは。
権利章典では、米国航空アクセス法(the Air Carrier Access Act)とその施行規則である米国連邦規則集(CFR)第14編第382部に基づき、お体の不自由なお客様の基本的権利について定めています。
権利章典は、お体の不自由なお客様の権利を拡大または制限するものではなく、既存の法律を便宜的にまとめたものです。
権利章典は、米国運輸省(DOT)のウェブサイトにてご覧いただけるほか、PDF文書としてご覧いただくこともできます。
権利章典は私にも適用されますか。
権利章典は、お体の不自由なお客様であって、CFR第382部に定義されている、「日常生活の大半を占める活動(歩行、聴取または呼吸など)に恒久的なまたは一時的な影響を及ぼす身体的なまたは精神的な不自由を持つ人」に該当するお客様に適用されます。
私の旅行には権利章典が適用されますか。
権利章典は、米国の航空会社が運航する全便と、外国の航空会社が運航する米国発着便をご利用の方に適用されます。
政府が定めている保安および国防に関する法律を遵守する義務は、概して、この権利章典に基づき航空会社が果たすべき義務に反する場合でも履行すべきものです。
権利章典について
航空会社は、その従業員や請負人を含め、お体の不自由なお客様を、その不自由を理由に差別してはなりません。
- 具体例を挙げると、航空会社が、お体の不自由なお客様の不自由や、それに伴う容姿または不本意な行動を理由に、該当するお客様の運送や、該当するお客様に対する他のサービスを拒むことは認められません。
- 航空会社が、お体の不自由なお客様に該当する航空旅客の方に対して、特別なサービスを受けるよう要求したり、他の乗客の方には課していない制約を課したりすることはできませんが、お体の不自由なお客様に該当する乗客の方は、自らの不自由と関係のある特定のサービスを受けるために、早めのチェックイン、事前通知、必要書類提出または事前搭乗を行わねばならない場合があります。
- 該当するお客様に対応する航空会社の係員は、お体の不自由なお客様に該当する乗客の方のご希望を把握し、安全に尊厳を傷付けることのないよう対応する方法を習得するための訓練を受ける必要があります。
- 航空会社の従業員と請負人は、少なくとも3年に1回は再研修を受ける必要があります。苦情解決責任者(お体の不自由なお客様と関係のある問題を解決する、航空会社内の専門家)は、毎年再研修を受ける必要があります。
航空会社は、お体の不自由なお客様に該当する航空旅客の方から求められた場合、その方にご利用いただける設備やサービスに関する情報を提供しなければなりません。この情報は、
想定外の事態(予定外の機体交換など)が生じなければ、該当するお客様がご搭乗予定の機体にてご利用可能なものに関する情報でなければなりません。
航空会社が提供すべき情報には、次のような情報があります。
- お体の不自由なお客様に該当する乗客の方が搭乗する機体もしくは受けるサービスと関係のある情報、または該当する方の能力が原因で生じる他の制約(無段差搭乗に関する制約など)に関する情報(乗客の方が、ご搭乗の際に車椅子を使用すると申告している場合、航空会社は、この方が上記の情報を希望していなくても、上記の情報をこの方に提供しなければなりません)。
- 機体内にある補助装置保管場所のご利用に関する制約。
- 可動式の通路側肘掛けを備えた座席の位置。
- 機体内に、アクセシビリティに配慮したお手洗いがあるかどうか。
- 搭乗機内ではご利用いただけないサービスの種類。
航空会社は、60席以上の機体を使用する場合、自社の主要ウェブサイトを、アクセシビリティ対応サイトにしなければなりません。加えて、航空会社は、米国内の、年間利用旅客数が10,000以上である空港に2016年12月以降に設置すべき自動キオスクについて、各空港に設置する自動キオスクの25%がアクセシビリティ対応モデルになるまで、アクセシビリティ対応モデル化しなければなりません。
視聴覚的なお手伝いを希望している乗客の方には、搭乗ゲート、航空券発券窓口、カスタマー・サービス・デスク、搭乗機体内で、他の乗客の方と同じ旅行情報を(航空会社係員による通常業務の妨げとならない範囲内で)素早く入手できる環境を提供しなければなりません。
航空会社は、該当するお客様が希望しているやり取りの方法に対応できるよう担当者を訓練しなければなりません。担当者は、視覚または聴覚を失っているか難聴であるお客様とやり取りする方法として最も一般的な方法(筆談など)をすぐに使用できるよう、訓練を受けておく必要があります。また担当者は、視覚または聴覚を失っている乗客の方とのやり取りに使用できる定番の方法(用意した点字カードを渡す方法、乗客の方が用意した情報シートを読む方法、通訳を介してやり取りする方法など)があればそれらを使用できるよう、訓練を受けておく必要もあります。
航空会社と米国の各空港を運営している事業者には、いずれも、空港設備をアクセシビリティ対応にする責任があります。米国航空アクセス法(the Air Carrier Access Act)と米国運輸省の施行規則であるCFR第14編第382部では、航空会社の義務について定めています。米国の各空港を運営している事業者には、米国の空港運営者には、お身体の不自由なアメリカ人に関する法律(ADA)、1973年米国リハビリテーション法第504条、およびこれらの施行規則に代表される、米国連邦のさまざまな制定法および規制が適用されます。航空会社と米国の各空港を運営している事業者には、空港設備をアクセシビリティ対応にする責任連帯義務があります。
この権利章典では、ACAAに基づき航空会社が果たすべき義務について定めています。概して、航空会社には、米国内外の空港で自社が所有、リースまたは管理しているターミナル内の設備を、お体の不自由なお客様に該当する乗客の方が容易に利用できるアクセシビリティ対応状態に保つ義務があります。空港運営会社には、自らが所有または運営しているか、航空会社を含む他の当事者にリースしている設備について法令遵守を徹底する責任があります。航空会社には、搭乗ゲートと機体搭乗口を結ぶ経路をアクセシビリティ対応にする義務があります。ボーディング・ブリッジを介した搭乗に代表される無段差搭乗設備を用意できない場合、航空会社と米国の空港運営会社は、大半の航空機に対応できるランプまたは機械式リフトを用いた搭乗の設備を設ける必要があります。航空会社は、空港運営会社と協力して、補助動物と一緒に休憩できる場所も空港内に設けなければなりません。
お体の不自由なお客様に該当する乗客の方がご希望の場合には、適切な訓練を受けた航空会社の担当者が、搭乗および降機に必要なお手伝いを素早く適時に提供しなければなりません。このお手伝いは、次のような作業でなければなりません。
- お客様のご希望に、担当者によるサービスや、地上移動用車椅子、アクセシビリティ対応電動カート、搭乗用車椅子、機内用車椅子、ランプまたは機械式リフトを用いたサービスを提供する作業。
- 空港の車寄せ(カーブサイド)から搭乗機への移動、乗り継ぎのための搭乗ゲート間移動、搭乗機到着後の車寄せ(カーブサイド)までの移動をお手伝いする作業。
- 航空券発券窓口、手荷物受取所またはお手洗い入口(時間に余裕がある場合)といった、空港ターミナル内の主要エリアへの移動をお手伝いする作業。
- 米国内の空港内で、補助動物を連れた乗客の方を、補助動物と一緒に休憩できる場所までご案内する作業。
空港到着前にお手伝いを依頼する乗客の方は、お手伝いが必要な場所(空港または搭乗ゲート)に到着したら、航空会社の係員ににその旨を伝えなければなりません。
該当する乗客の方が希望していない特別なお手伝いを受けるよう、航空会社側から要求すること(観光ガイドをご希望のお客様に車椅子のご利用を要求するなど)はできません。
加えて、航空会社が、自力では移動できない乗客の方を車椅子またはその他補助装置に乗せたまま30分以上放置することもできません。
航空会社は、搭乗ゲートにて、お体の不自由なお客様に該当する乗客の方から、搭乗、異動圃場装置の収納または着席に多くの時間がかかる旨またはこれらのお手伝いが必要な旨の自己申告を受けた場合、該当する方が他の乗客の方より優先的に搭乗できる機会を与えなければなりません。
- ただし、自由席制の航空会社は、第一搭乗グループに属する乗客の方が搭乗した後の、搭乗手続きのできるだけ早い段階で、搭乗に多くの時間がかかる乗客の方を機内にご案内することがDOTにより認められています。
お体の不自由なお客様に該当する乗客の方がご希望の場合には、適切な訓練を受けた航空会社の担当者が、搭乗および降機に必要なお手伝いを素早く適時に提供しなければなりません。
- このお手伝いには、座席への移動や座席からの移動のお手伝いが含まれます。
- 米国内の大半の空港では、無段差のボーディング・ブリッジを用意できない場合、搭乗機体が小型の(座席が19席未満の)機体でない限り、移動能力に制約のあるお客様による安全な搭乗および降機をお手伝いできるよう、リフト装置を用意しなければなりません。
- 機体がより小型である場合や、米国内の非主要空港または外国の空港の場合、航空会社は、該当する乗客の方が安全に利用できる手段を用いて搭乗および降機をお手伝いしなければなりません。
- ただし、航空会社の係員が、自らの手で乗客の方の機体搭乗または降機をお手伝いすること(航空会社の係員が自らの腕で乗客の方を抱きかかえることなど)は、非常事態の場合を除いて禁じられています。
お体の不自由なお客様に該当する乗客の方が搭乗したら、航空会社は、乗客の方からのご依頼に応じて次の行為をお手伝いしなければなりません。
- お手洗いへの移動またはお手洗いからの移動(お客様がご希望の場合に行う機内用車椅子の使用補助を含みます)。
- 補助装置を含む機内持ち込み手荷物の収納および取出し。
機体内への補助装置のお持ち込み
航空会社は、安全確保に関する規則に従い、補助装置の無料機内持ち込みを認めなければなりません。
- この補助装置には、お体の不自由なお客様に該当する乗客の方の不自由を補う医療機器や個人用の医薬品なども含まれます。
- 補助装置は、該当する乗客の方の機内持ち込み制限にカウントされません。
- 乗客用座席が100席以上の機体内には、通常サイズの折畳み可能手押し車椅子を少なくとも1台は優先的に収納できる場所(クローゼット、または車椅子を置いてシートベルトで固定するための場所として指定された座席列)を設けなければなりません。
- 車椅子を置いてシートベルトで固定するための場所として座席使う航空会社は、2台目の車椅子を収納しても乗客の方の移動に影響がない場合、少なくとも2台の車椅子を収納できる場所を確保する必要があります。
- 上記の優先的な収納場所の確保要件は、古い機体には適用されません。
機内に持ち込めない手押し車椅子は、保安および警備に関する要件に従い貨物室で預かる必要があります。電動車椅子については、貨物室に収納でき、保安および警備に関する要件に従って運送できる場合、航空会社は該当する車椅子を預からねばなりません。また航空会社には、お客様がターミナル内でも使用する補助装置を、搭乗ゲートにて確認のうえ、適時に返却する義務もあります。航空会社は、車椅子または他の補助装置を紛失、毀損または破壊してしまった場合、該当する車椅子または補助装置の原購入価格を上限とする金銭補償を行わねばなりません。
補助動物同伴旅行
航空会社は、以下の場合でなければ、お体の不自由なお客様に該当する乗客の方が補助犬同伴で機体に搭乗することを認めなければなりません。
- 他のお客様の健康または安全を直接的に脅かすような補助犬の場合。
- 機内または空港の搭乗ゲート付近にて、著しい混乱を引き起こすか、目に余る行動を起こす補助犬の場合。
- 運送すると米国または外国の法律に反することとなるような補助犬の場合。
- 航空会社が補助犬同伴渡航者に対し求めている、最新のDOT様式を用いた申請が行われていない補助犬の場合。
航空会社の係員が、補助犬同伴乗客の運送を拒む決定を下す場合、その決定は、補助犬を運送することで被害が実際にまたは継続的に生じる危険および可能性の内容を踏まえて実施した、補助犬を対象とする個別かつ客観的な評価の結果に基づくものでなければなりません。またこの評価においては、被害軽減策の有無も考慮しなければなりません。
補助犬による被害の軽減策が存在する場合、航空会社は、補助犬の運送を拒否できません。
以下の場合に乗客の方が航空会社の係員に特定の座席が必要であると申告した場合、航空会社は、該当する乗客の方が利用する機体の同一クラス内に該当する座席が存在する場合、その座席を提供しなければなりません。
可動式肘掛け付きの通路側座席 – 乗客の方が、機内通路用車椅子を使用して搭乗する場合で、固定式肘掛けの通路側座席では容易に移動できない場合。
バルクヘッド座席または他の座席 – 乗客の方が、該当座席に座らせるのが最適な補助動物を連れて搭乗する場合。
足元の広い座席 – 乗客の方の足が、縫合または固定されている場合。
隣席 – 次のような特定種の補助を行う同伴者の方用の座席が必要な場合。
- 航空会社の客室乗務員が行う必要のない補助(お体の不自由なお客様に該当する乗客の方のお食事の補助など)を行う実行するパーソナル・ケア・アテンダント。
- 視覚を喪失しているか弱視である乗客の方のために口頭で情報を伝える同伴者。
- 聴覚を喪失しているか難聴である乗客の方に手話などで情報を伝える同伴者。
- お体の不自由なお客様に該当する乗客の方が自力では避難できない状況に置かれた場合に避難を補助する安全アシスタント。
上記に該当しない乗客の方については、航空会社の規定を満たしている場合、航空会社は、お体の不自由なお客様に最適な座席を割り当てなければなりません。
航空会社は、ブロック方式、優先方式または事前搭乗(航空会社が事前座席指定を行っていない場合)から成る3つの方式のいずれかを用いて座席を提供しなければなりません。これらの座席提供方法と、国内航空旅客運送事業者の約95%を占める米国最大手の航空会社およびその提携航空会社が採用している座席提供方法の詳細については、DOTの座席提供方法情報ページをご覧ください。このページには、一部の外国航空会社が採用している座席提供方法に関する情報も掲載されています。
1992年4月以降に米国の航空会社に納入される新機体と、2010年5月以降に外国の航空会社に納入される新機体は、下記を含むアクセシビリティ機能要件を満たしていなければなりません。
- 30席以上の機体の場合、通路側座席の半数が可動式肘掛け付きの通路側座席であること。
- DOTは、一部の航空会社について、この要件に相当する座席と実質的に同等以上の代替座席をお体の不自由なお客様に該当する乗客の方向けに用意する方法によりこの要件を満たすことを認めています。 - 100席以上の機体の場合、機内内に車椅子用の優先収納スペースを用意すること。
- 機体内に複数の通路がある場合、少なくとも1つはアクセシビリティ対応のお手洗いを設けること。
- 機体内にアクセシビリティ対応のお手洗いがない場合、またはアクセシビリティ非対応のお手洗いを使うがそこへの移動には機内用車椅子が必要である旨の申告を航空会社が乗客の方から事前に受けている場合、機内に車椅子を用意すること。
30席以上の古い機体を所有する航空会社であって、通路側座席を対応座席に置き換える会社は、置き換え後の座席の半数を、確実に可動式肘掛け付きの座席にする必要があります。また、通路が2つある航空機のお手洗いを交換する航空会社は、アクセシビリティ対応のお手洗いに交換しなければなりません。
航空会社は、苦情解決責任者(CRO)を適時に対応(電話対応も可)させなければなりません。
- CROは、お体の不自由なお客様に関連する問題を解決できる専門家として必要な訓練を受け、当該問題をその場で解決できる者でなければなりません。
- お体の不自由なお客様に該当する乗客の方は、航空会社による航空旅行サービスに不満な点がある場合、航空会社かDOTに苦情を申し立てることができます。空港運営会社に帰責する問題に関する苦情は、空港運営会社、FAAまたはDOJに提起できます。 - 航空会社は、問題発生日から30日以内に書面で通知された、お体の不自由なお客様に関連する問題には直接対処しなければなりませんが、DOTから苦情について照会を受けた場合でない限り、問題発生日の45日後以降に提起された苦情に対処する必要はありません。
- DOTは、お体の不自由なお客様に関連する問題の発生から6か月以内に提起された当該問題に関する苦情のすべてについて、適切な航空運送会社に対して照会し、対応を求めます。
- DOTは、提起された、お体の不自由なお客様に関連する問題に関する苦情のすべてを調査し、米国航空アクセス法違反の有無を確認します。
- お体の不自由なお客様に該当する乗客の方であって、自らの権利に関して早急に解決した質問のある方には、該当航空会社のCROに相談するようお伝えください。航空会社は、各空港における自社便運航時間帯には常に、各空港にCROを配置しておかねばなりません。乗客の方には、お体の不自由なお客様向けにDOTが開設しているホットライン(1-800-778-4838)への連絡をおすすめすることもできます。このホットラインの利用可能日時は、月曜日から金曜日までの8時30分から17:00分までです。